花粉症・アレルギー性鼻炎
花粉症・アレルギー性鼻炎の原因となる抗原を回避することが一番の予防ですが、完全に回避することは容易なことではありません。症状の強い場合は治療を受けることになります。治療は大きく分けると対症療法と根本療法に分けられます。アレルギー性鼻炎の特効薬がない現在では、減感作療法が唯一の根本療法です。減感作療法はアレルギーの原因となる抗原を徐々に与えて、それに対する抵抗力をつけるという方法です。一般的には一億倍に薄めた濃度の抗原を皮下注射していき、アレルギー症状を起こさない最大濃度(維持量)まで徐々に濃度を上げて続けます。週に1回の注射を3か月続け、もし経過が良ければ月に1回とし、3~5年間継続します。治癒率は60~80%と報告されています。週に1回注射を受ける治療は非常に忍耐が必要です。最近は、注射ではなく内服(舌下投与)による減感作療法が臨床応用されてきました。同様に数年かかり、治癒率はやや落ちますが50~70%あります。しかし、根本療法は忍耐が必要で時間もかかり成功率も100%ではないことから、症状を軽減させる対症療法を選択するのが現在は一般的です。対症療法は、飲み薬や点鼻薬などによる保存療法と後鼻神経切断術や下鼻甲介粘膜焼灼術などの手術療法があります。
飲み薬はいろいろな製薬会社がいろいろな薬を出しています。一般的に使用されている飲み薬は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬ですが、多かれ少なかれ眠気が出てしまいます。そのために、受験生やデスクワークの多い仕事の人には不向きです。特に、仕事で運転が必要な人には注意して服用しないと重大な事故につながる可能性があります。最近は化学伝達物質遊離抑制薬というものが開発されており、眠気が少なく鼻づまり症状に効果があります。しかし、症状が強い時の即効性に欠けます。また、これらの薬は妊娠中に胎児に影響を与える可能性があり、妊娠4か月半ばまでは原則として避ける方が安全です。点鼻薬は内服薬と比較して鼻づまり症状に効果があります。その中でも、血管収縮薬は交感神経の興奮を抑える薬で血管の拡張を抑え、鼻づまりに即効性の効果があります。しかし、使いすぎると血管が薬剤に反応しなくなり逆に浮腫をおこし、鼻閉が悪化するので注意が必要です。
後鼻神経は鼻の奥にある頭蓋骨の穴から鼻腔に入り、鼻水の産生やくしゃみに関与する神経です。この神経を切断し、アレルギー性鼻炎の症状を改善させる手術は1960年代に開発されてきました。しかし、手技の難しさや合併症を起こす危険性から一般化されていません。1990年ころより内視鏡を用いた神経切断術が行われるようになってきましたが、現在も全身麻酔で行い入院を要することが一般的です。その他には、鼻づまりを改善させる下鼻甲介切除術、アレルギー性鼻炎症状を改善させる下鼻甲介粘膜焼灼術があります。
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