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検診・治療レポート

患者の気持ち

夜間頻尿とは?夜間頻尿とは?

今回は、皆さんの中には経験したことのある「夜間頻尿」といびきの関係についてお話しします。
夜間頻尿とは、夜間にトイレに行くために1回以上起きなければならない症状をいいます。目を覚ますことで睡眠の質が悪くなり、日中の眠気など日常生活に影響を及ぼすこともあります。また高齢者の人が夜に起きることで、転倒による骨折のリスクが上がり、見過ごせない症状の一つです。

総人口の約3割に夜間頻尿の有病率があり、50歳以上の約50%、70歳以上では60-80%の有病率と報告されています。つまり、とても身近な症状です。性差では若年者では女性に多く、中高年では男性の方が多いと報告されています。

夜間頻尿の原因とは?夜間頻尿の原因とは?

健康成人は1日に4〜7回の排尿を行い、1日尿量は700〜3,000mlとされています。膀胱に250〜500mlの尿が溜まると尿意が我慢できなくなります。頻尿の原因は、尿量が増加する(多尿)、尿量は正常でも排尿の回数が増加する(頻尿)、または両方が合わさってなると考えられています。

夜間頻尿の原因とは

多尿の原因は様々ですが、水分の過剰摂取が代表的です。糖尿病では血液が濃くなるためにそれを補正するため水分をよく飲むようになり多尿が起こります。
アルコールやカフェインは利尿作用があり、これらを夜間に摂取しすぎると夜間多尿となります。健常者は夜間に血圧が低下しますが、高血圧の患者さんは夜間の血圧低下がなく、夜間尿量が増加するといわれています。
頻尿の原因として、男性の場合は前立腺肥大のために排尿障害となり残尿から頻尿となるのが代表的です。また、膀胱が過敏になり頻回に尿意を感じる過活動膀胱も頻尿の原因です。過活動膀胱は、脳卒中やパーキンソン病などの脳や脊髄の病気のために膀胱のコントロールが効かなくなる、または加齢による老化現象として起こります。

夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群の関係夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群の関係

夜間頻尿の原因として睡眠障害が関係しているのは、2020 年に発刊の「夜間頻尿診療ガイドライン」でも示されています。
夜間に尿意を感じると中途覚醒する、あるいはその逆に夜間に中途覚醒が生じると尿意を感じるというように相互作用が認められています。
中途覚醒は膀胱内圧の上昇を生じ,膀胱容量低下をきたして尿意の原因となることが報告されています。睡眠障害を起こす代表的な疾患に睡眠時無呼吸症候群があります。

夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群の関係

1973年に世界で初めて睡眠時無呼吸症候群の概念を報告したスタンフォード大学のGuilleminault 先生が、1989年に閉塞性睡眠時無呼吸症候群の約3割に夜間頻尿を認めたと報告して以来、世界中で夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群の関係が報告されてきました。最近では、2019年中国、天津医科大学から過去に報告された181の論文のメタ解析によると、閉塞性睡眠時無呼吸症候群のある人の夜間頻尿の有病率は1.4倍高く、無呼吸が重症になる程に夜間頻尿の有病率が高くなることを示しています。

睡眠時無呼吸症候群が夜間頻尿を起こす理由は、その睡眠障害によるためばかりではなく、高血圧症や糖尿病を合併する率が高いために夜間多尿を起こす可能性もあります。また、睡眠中の無呼吸によって引き起こされる負の胸腔内圧変動が夜間頻尿を起こす原因とも考えられています。無呼吸時に胸腔内圧が低下し、静脈還流の増加となり、心臓に戻ってくる血液量と圧力が増加します。その心臓負荷により体液が多すぎると体が勘違いし、心房組織から心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が放出されます。ANPは尿産生を増加させ、夜間頻尿の可能性を高めると考えられています。

夜間頻尿といびき夜間頻尿といびき

睡眠時無呼吸症候群の患者さんはいびき症状を90~98%持っていて、逆に慢性いびき症の約30%に睡眠時無呼吸症を持つと報告されています。このようにいびきと睡眠時無呼吸症候群は強く関係しています。では、睡眠時無呼吸を伴っていない単純性いびき症は夜間頻尿を起こすのでしょうか?

2018年インドのAIIMS病院での閉塞生睡眠時無呼吸症候群172名の検討では、睡眠時無呼吸の指数が高いほど、血中酸素飽和度が低いほど、夜間頻尿の有病率が高いことを報告しています。つまり、睡眠時無呼吸の程度が重いほど夜間頻尿を起こす確率が高くなると考えられているので、単純性いびき症が夜間頻尿を起こすとは考えにくいです。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の分断化により睡眠の質が低下することで、日中の眠気を起こすことが知られていますが、意外と日中眠気を感じていない「隠れ」睡眠時無呼吸症候群の患者さんも多いことがわかっています。
先に示したように、「いびき」は睡眠時無呼吸症候群のほとんどの患者さんが有している症状です。2010年米国ニューメキシコ州のSleep and Human Health研究所での約千人を対象とした検討では、夜間頻尿はいびきと匹敵するほど睡眠時無呼吸症候群に伴っている症状であり、スクリーニングに役立つことが報告されています。
つまり、いびきがあり夜間頻尿がある場合は、睡眠時無呼吸症候群となっている可能性があります。治療抵抗性のある夜間頻尿が、睡眠時無呼吸の治療で改善が見られた報告も各国からされています。近くの医療機関にて睡眠時無呼吸の有無を検査することを勧めます。

当院の取り組み当院の取り組み

当院では、なぜいびきが生じているのかを診断しています。適応のある患者さんに対しては、レーザーによるいびき治療を保険診療で行っていますが、外科的な治療ばかりがいびき治療ではありません。肥満があり重症な睡眠時無呼吸をともなっている場合は、まず体重の減量とCPAP治療やマウスピース装用を勧めます。
いびきについて悩んでおり、治療について診察を受けたい方は当院へ気軽にご相談ください。

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医院概要医院概要

東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科

理事長・院長
竹腰 英樹
(医学博士/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医)
所在地
〒160-0022
東京都新宿区新宿4丁目-4-1 サテライト新宿ビル2F
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電話
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