花粉症・アレルギー性鼻炎のレーザー治療
レーザー治療を行ったあと、実際に効果が表れるのに一定の期間がかかります。
当院では本格的なシーズンに合わせて効果が発揮できるよう、シーズン前に手術をすることをお勧めします。
花粉症・アレルギー性鼻炎に対する手術療法は、後鼻神経切断術、下鼻甲介切除術、下鼻甲介粘膜焼灼術などがあります。鼻水やくしゃみに関係する後鼻神経の切断術は、手術の難しさや合併症から一般化されてきていません。アレルギー性鼻炎の手術になぜ下鼻甲介が関係するのでしょうか?鼻の中は鼻甲介といわれる棚が基本的に3つ存在します。上から上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介と名前がついていますが、鼻閉に最も関与している部位は下鼻甲介の先端であることが様々な研究からわかっています。この部位のボリュームを10%減量すると鼻の通りが20%以上良くなることが示されています。下鼻甲介は鼻の中でも比較的手術のしやすい場所にあるので、100年以上前の1895年Jones TCが下鼻甲介切除術について報告しています。1980年頃よりアメリカにて鼻閉症状に対してレーザー治療が始まり、1985年頃から日本でも一部の施設で行われ、1990年代から日本でも一般的に行われるようになりました。
花粉症・アレルギー性鼻炎は、初期治療や予防対策などでコントロール可能な場合もありますが、完全に症状を止めることは簡単ではありません。飲み薬による治療は、コントロール率が高まりますが、副作用の眠さやだるさが生じるために受験生やデスクワークの多い仕事の人には不向きです。特に、仕事で運転が必要な人には注意して服用しないと重大な事故につながる可能性があります。また、飲み薬は妊娠中に胎児に影響を与える可能性があり、妊娠4か月半ばまでは原則として避ける方が安全です。毎年予防のために長期間薬の内服を余儀なくされ、効果の少ない場合や薬の効きにくい粘膜過敏症でお困りの方、鼻閉を改善させたい方にはレーザー治療は非常に効率的な治療法です。
下鼻甲介切除は単純に空間を拡げるだけですが、下鼻甲介粘膜をレーザーで焼灼することはアレルギー性鼻炎に対し5つの効果があると報告されています。
つまり、レーザー下鼻甲介粘膜焼灼術は花粉症・アレルギー性鼻炎に対し、鼻づまりばかりでなく、アレルギー反応を起こしにくくさせる作用があります。焼灼時に粘膜を焼きすぎると合併症が多くなることがわかります。
レーザーを生体組織に用いる場合、その治療効果はレーザー光の吸収性つまり組織への浸達性が最も関与します。下鼻甲介粘膜焼灼術で主に使われているレーザーの特徴を表に示します。イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザーが生体での透過性は一番深いのがわかります。アルゴン(Ar)レーザーは水中の透過性が優れていますが、生体の浸透長は0.2㎜程度であり、その特性を生かし眼底治療によく用いられます。炭酸ガス(CO2)レーザーは生体組織の表層近くでほとんどが吸収され、熱化し組織破壊をおこすので、露出している表面の組織破壊に一番適しています。つまり、炭酸ガスレーザーは、下鼻甲介粘膜の表層部である繊毛上皮から上皮化固有層のみを焼灼し、深部にある血管層を傷つけずに手術ができるのが特徴です。YAGレーザー、Arレーザーは水の透過性が良いので、アレルギー症状による水溶性鼻漏が出ていても粘膜焼灼ができる利点がありますが、浸達深度が深いために出血や術中の痛みがあることが欠点です。当クリニックでは炭酸ガスレーザーを使用しています。痛みが少なく、合併症が少ないことが特徴です。
波長 (μm) | 光浸透長(mm) 水中 生体 |
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CO2 | 10.6 | 0.01 | 0.05 |
YAG | 1.06 | 70 | 0.8 |
Ar | 0.488 | 10.000 | 0.2 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | |
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10:00~13:00 | ○ | - | ○ | ○ | - | ○ | ○ |
14:00~18:00 | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
休診日:火・金(午前)
※受付終了時間は17:00となります。
※予約制:お電話か予約フォームよりご予約ください。