東京新宿頭痛といびき東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科

頭痛の頻度、男女差、年齢別

1990年代に行われた15歳以上の日本人を対象とした研究では、頭痛を持っている人の割合は約40%と報告されています。つまり15歳以上の3人に1人は何らかの頭痛を持っていることになります。男女差をみると、代表的な片頭痛や緊張型頭痛の場合は2倍から3倍ほど女性の方が多く認められます。年齢別では男女とも20～40歳代に頭痛が多く認められます。以上から、20～40歳代の女性の5～7人に1人に慢性的な頭痛がある計算になります。

頭痛の種類

頭をぶつけて頭痛が生じたり、脳腫瘍が原因で頭痛を起こしたりする場合を二次性頭痛と呼ばれています。病気や外傷がなく起きる頭痛を一次性頭痛といい、国際頭痛分類では片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛は一次性頭痛とされています。日本の頭痛のうち約50%は緊張型頭痛であり、片頭痛は20%と報告されています。つまり緊張型頭痛と片頭痛が頭痛の大半を占めることになります。では代表的な頭痛とはどのようなものでしょうか？

代表的な頭痛

頭痛の症状は、大きく3つに分けることができます。

片頭痛

典型的な片頭痛は、文字の通り頭の片側で心臓が脈打つようなズキズキと拍動した頭痛発作を繰り返します。吐き気を伴ったり、光や音、臭いなどの感覚が敏感になったりするのが特徴です。頭痛の始まる前に周りがチカチカと眩しかったり、線が見えたりなど「前触れ」が生じる人もいます。30～40歳代の女性に多く認められます。血管周囲にある神経の過敏、脳血流の低下などがその原因といわれています。

緊張型頭痛

頭の両側が締め付けられるように痛くなり、数十分から数日間にわたり症状が長引くことがあります。片頭痛のような「前触れ」はなく、吐き気などを伴うことは少ないのが特徴です。日本における頭痛のうち最も多いのが緊張型頭痛であり、30～40歳代の女性に多く認められます。「ストレス頭痛」とも呼ばれており、精神的や肉体的にストレスがあるとこの頭痛を生じる場合があります。しかし、頭痛を起こすメカニズムはまだ不明です。

群発頭痛

目の奥、目の周囲からこめかみにかけてキリキリと突き刺すような激しい痛みが短時間生じます。症状が起きると数週から数カ月にわたり毎日生じるのが特徴です。頭痛は片側におこり、目が充血したり、涙を流したり、鼻水が出たりなどの症状を伴います。20～40歳代の男性に多く、有病率は女性の約5倍といわれています。お酒で誘発されることが多く、三叉神経や頭部自律神経の異常が原因と考えられています。

頭痛と睡眠障害の関係

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頭痛が睡眠障害を生じさせ、睡眠障害が頭痛を起こすことは経験的に考えられてきました。片頭痛は睡眠障害によって誘発され、よく眠ることにより頭痛がとれることは報告されています。片頭痛を持つ人は、頭痛がない人に比べ日中の眠気を感じる割合が3倍あると報告されています。ストレス頭痛と呼ばれている緊張型頭痛も睡眠不足により頭痛が悪化することが認められています。群発頭痛は夜間や睡眠時など決まった時間に生じ、睡眠を障害することがあります。このように頭痛と睡眠障害には密接な関係があります。明らかに睡眠中の無呼吸が原因で生じる頭痛は、国際頭痛分類でも「睡眠時無呼吸性頭痛」として分類されています。

≫ 睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸性頭痛

睡眠時無呼吸性頭痛の症状は、起床時に頭痛がある、頭痛は30分以内に消失する、両側性である、1ヶ月に15日以上生じるなどの症状が特徴的です。睡眠時無呼吸により低酸素血症、高炭酸ガス血症、睡眠障害によるストレスなどが頭痛を生じさせると考えられています。

いびき症状があり、このような頭痛を持っている場合は睡眠時無呼吸を伴っている可能性があるので医師に調べてもらうことを勧めます。

いびきと頭痛との関係

このように、睡眠障害や睡眠時無呼吸症によって頭痛が生じることはわかっています。呼吸の通り道が狭くて無呼吸になる閉塞性睡眠時無呼吸症はほとんどにいびき症状を伴っています。しかし、睡眠時無呼吸を伴っていない慢性いびき症でも頭痛と関係していることが報告されています。いびきをかく回数が多いほど頭痛を伴うことが多いとの報告もあります。繰り返す頭痛があり、いびき症状がある人は専門的に調べてもらう必要があります。