鼻閉といびき
鼻は真中の壁(鼻中隔)で左右に分けられていて、構造を簡単にすると三角柱のパイプが横に倒されているような形です。鼻がつまるのはこの三角柱のパイプがどこかで狭くなるために生じるわけです。
パイプの入口(鼻の穴)の炎症(鼻前庭炎・鼻前庭のう胞)や外傷により狭くなったり、出口(後鼻孔)に腫瘍(上咽頭腫瘍)、ポリープ(後鼻孔ポリープ)やアデノイドで塞がってしまったり、奇形で狭くなっていたりして空気の通りが悪くなります。
しかし、成人の鼻閉の原因の多くは出入口の問題よりもパイプの中が狭くて生じることがほとんどです。
パイプの壁が内側に張り出す鼻中隔弯曲症、壁が厚くなり内側が狭くなるアレルギー性鼻炎、鼻汁や鼻ポリープで鼻腔をふさぐ慢性副鼻腔炎等が代表的です。鼻腔腫瘍、副鼻腔腫瘍も鼻閉がはじめに現れる症状なので注意しなくてはいけません。
鼻閉と睡眠呼吸障害の関係は30年以上前から報告されています。アレルギー性鼻炎の患者さんを対象に調べた研究では、鼻閉、鼻汁があるときは睡眠中の無呼吸の回数や時間が増えることが認められています。
では、なぜ鼻閉が生じると睡眠時無呼吸の症状が悪化するのでしょうか?
いくつかの理由が考えられています。1つは不安定な口呼吸への変換です。常に空間が保たれている鼻呼吸に比べ、口呼吸の場合は口によって入口が閉じてしまうこともあり、また口の中には舌があるために空気の通り道の確保が不安定です。不安定な口呼吸で一定量の空気を吸うために自然と吸気圧が上昇し、そのため上気道の壁が内側に引き寄せられ、さらに気道が狭くなることも考えられています。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎により鼻汁がのどに落ち込むことで気道が狭くなることや、鼻がつまることでくしゃみ反射が減少し気道にあるゴミが除去しにくくなることなども報告されています。
いびきは睡眠中に鼻やのどの狭い部分に空気がぶつかり振動して起こる異常な呼吸音であり、閉塞性睡眠時無呼吸症のほとんどに認められる症状です。
いびき症状を持つ人の75%に鼻閉症状があるとの報告もあります。狭くなった鼻を空気が通りいびきとなり、圧が強くなった吸気が鼻の後方にある軟口蓋にぶつかることもいびきの原因となります。
また、口呼吸に変わることから軟口蓋や舌が振動しいびきとなります。鼻閉改善の手術のみでのいびき改善率は今までの報告によると30~60%です。しかし、睡眠時無呼吸症は鼻閉改善手術のみでは改善率が10~15%と報告されています。このように、鼻閉のみを改善させても睡眠時無呼吸症の改善が少ないことがわかります。これは、睡眠時無呼吸症の原因は鼻閉1つだけではなく様々な要因が絡んでおきていることを意味しています。
当院では、鼻腔通気度計を用いて客観的に鼻閉の状態を判断し鼻閉やいびきの原因を総合的に診断します。鼻閉に対してはアレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、鼻中隔弯曲症、鼻ポリープ、慢性副鼻腔炎などの治療を行っています。特にアレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎に対しては、炭酸ガスレーザーを用いて治療を行い鼻の症状の改善を図ります。
CPAP装用が鼻閉があるためにうまくできない方もお気軽にご相談ください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~13:00 | ○ | - | ○ | ○ | - | ○ | ○ |
14:00~18:00 | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
休診日:火・金(午前)
※受付終了時間は17:00となります。
※予約制:お電話か予約フォームよりご予約ください。