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ドクターズファイル

検診・治療レポート

患者の気持ち

はじめにはじめに

いびきは睡眠中に、鼻やのどなど空気の通り道(気道)の狭い部分に空気がぶつかり、振動して起こる異常な呼吸音です。口蓋垂(のどちんこ)を含めた軟口蓋や扁桃、舌、喉頭はのどにおける狭い部分であり、いびきを起こす部位と考えられています。
その中でも最大の器官である舌(した、ぜつ、べろ)がいびきにどのような影響を与えるのかを今回説明します。

舌の働き舌の働き

まず皆さんが頭に浮かぶのが、「味を感じるところ」だと思います。実際に味覚の受容体である味蕾(みらい)の大部分が舌に存在します。
しかし、舌は食物をかみくだく咀嚼(そしゃく)運動や物を飲み込む嚥下(えんげ)運動にも関与しています。さらに、しゃべる時に言葉をつくる構音(こうおん)にも舌は重要な役割を担っています。
このように多彩な能力を舌が持てるのは、柔らかく筋肉が発達しているために形を自由に変える事ができ、複雑な運動ができるからです。舌の大きさには男女差があり、やや女性の方が小さいことが過去に報告されています。長さ約7㎝、幅約5㎝、厚さ約2㎝、体積約80㎤の塊が口の中で自由に動くことができるので多彩な機能を発揮できるわけですが、逆に気道を狭くさせる可能性もあります。

舌がいびき・睡眠時無呼吸の原因となる理由舌がいびき・睡眠時無呼吸の原因となる理由

タバコの作用睡眠中の気道が狭くなる原因として、舌が関与しているパターンは1つではありません。
まず睡眠により筋肉の緊張が弱まり、舌を支えている筋肉が弛緩し、舌が重力に負けて舌根沈下を起こし、気道が狭くなります。これは誰にでも起きるわけですが、筋肉が弛緩しやすい状況が多いと、いびきを起こしやすくなります。例えば、疲労、飲酒や睡眠薬の服薬で睡眠が深くなる場合です。また、加齢や女性ホルモンの低下による筋力低下も舌根沈下を起こしやすくさせます。
口の中における舌の占める割合が大きいと、気道は狭くなります。これには、2つのパターンがあります。1つは舌自体が大きい場合です。ダウン症など先天的に舌が肥大している場合、血管腫、リンパ管腫、癌などで舌が腫大している場合、甲状腺機能低下による粘液水腫で舌が浮腫している場合、肥満などで舌に脂肪が付着して舌が肥大している場合などがあります。もう1つは舌自体大きくないのに舌が収まっている下顎の空間が狭く、相対的に口腔内で舌の占める割合が多い場合です。小顎症、下顎後退症などです。
トリーチャーコリンズ症候群、ピエールロバン症候群など先天的に小顎症を持っている場合は、いびきばかりでなく覚醒中の呼吸障害や嚥下障害を生じることもあります。2003年ブラジル、サンパウロ連邦大学から、いびき、睡眠時無呼吸を主訴として来院した223名を対象とした検討では、下顎後退症が約20%認められたと報告されています。1995年久留米大学による睡眠時無呼吸症候群を持つ日本人男性53名の検討では、約50%に下顎後退を認めており、日本人の睡眠時無呼吸症候群において下顎後退は大きな要因であることがわかります。
さらに睡眠中に口呼吸となると舌根沈下が生じやすいことが、1994年国立立川病院耳鼻咽喉科(現在の国立病院機構災害医療センター)による213名のいびき症例の検討で報告されています。
このように、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因として舌が関与している場合は、いろいろなパターンがあり、しかもいくつかのパターンが合わさっている場合もあり、単純ではありません。いびきや睡眠時無呼吸を指摘され気になるようならば、医師の診察を勧めます。

いびきの原因が舌の場合に自分でできる対処法いびきの原因が舌の場合に自分でできる対処法

タバコの作用一番簡易な方法としては、疲労を蓄積させない、飲酒を控えるなどの生活習慣を見直すことです。
次に、横に向いて寝る方法です。仰向け(仰臥位:ぎょうがい)よりも横向き(側臥位:そくがい)の方が重力による舌根沈下を起こしにくいからです。側臥位用のまくらなどが市販されています。
舌の筋力低下を予防する目的の口腔咽頭エクササイズも有効です。最近、覚醒中に口にくわえて舌を電気刺激する装置が市販されており、舌の筋肉の緊張を高めることで、いびきや睡眠時無呼吸に効果があることが2021年英国から報告されています。
肥満がある場合は、体重減量で舌肥大を減少させることができます。舌は他の筋肉と比較して脂肪を含む割合が多いので、体重増加の影響を受けやすいことが2018年中国から報告されています。
2020年米国のアルベルト・アインシュタイン医学校から睡眠時無呼吸症候群67名の検討で、体重減量で無呼吸指数が減少することを報告していますが、MRI画像で舌の脂肪減少が無呼吸指数減少に強く関与していることを示しています。
いろいろと試みてもいびきが改善しない場合は、一度専門の医師に相談しましょう。

当院の治療当院の治療

当院では、なぜいびきが生じているのかを診断しています。
適応のある患者さんに対しては、レーザーによるいびき治療を保険診療で行っていますが、外科的な治療ばかりがいびき治療ではありません。肥満があり重症な睡眠時無呼吸をともなっている場合は、まず体重の減量とCPAP治療やマウスピース装用を勧めます。
いびきについて悩んでおり、治療について診察を受けたい方は当院へ気軽にご相談ください。

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医院概要医院概要

東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科

理事長・院長
竹腰 英樹
(医学博士/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医)
所在地
〒160-0022
東京都新宿区新宿4丁目-4-1 サテライト新宿ビル2F
高島屋デパート明治通り口正面
電話
03-3354-1941
最寄駅
新宿駅新南口より徒歩2分
新宿三丁目駅E7番・E8番出口より徒歩1分
診療時間
  日・祝
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