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検診・治療レポート

患者の気持ち

首とは首とは

首とは

「首をくくる」、「首が飛ぶ」など「命」や「職」に関係ある慣用句で使われるように、首は「生命を維持する上で特に重要な身体部分である」と認識されています。
3億5千年前に魚類から陸上で生活するようになった脊椎動物は、エラが不要になり、その部分に「首」ができたと考えられています。頭が肩より離れたことから腕を自由に動かすことが可能となり、また体を動かさなくても頭を動かすことで周囲を確認しやすくなり、高いところや低いところの餌を食べやすくなり、より脊椎動物が進化したと推察されています。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚など外界を認知する器官や全身への司令塔の脳があり、呼吸や摂食の入口でもある「頭」と重要な臓器がある「体」とをつないでいる首は、生命を維持する上で特に重要な部分であることが理解できると思います。実際に首には脳から体の各部分に指令を伝える脊髄、脳に血液を送る頸動脈、呼吸に必要な空気の通り道であり水分や食べ物の通り道でもある咽頭、空気は肺へ食べ物は胃へと分ける喉頭、気管と食道の一部、頭を支え動かす筋肉などが詰まっています。今回は、首といびきの関係をお話しします。

首と睡眠時無呼吸症候群首と睡眠時無呼吸症候群

首と睡眠時無呼吸症候群

1990年カナダのトロント大学からいびき症状のある123人の患者さんの首の周り(首囲)を測定したところ、睡眠時無呼吸の重症度と首囲の太ささに関係を認めたと報告されて以来、世界で睡眠時無呼吸と首囲について報告が続いています。
1992年同じくトロント大学が睡眠時無呼吸検査であるポリソムのグラフィーを受けた670人を対象に検討したところ、腹回りの長さ(腹囲)よりも首囲の方が無呼吸指数と強く関係を認めたと報告し、同年に英国のチャーチル病院による睡眠障害のある150人を対象とした検討では、首囲に身長を補正した値がより睡眠時無呼吸の診断に有用であることを報告しています。
2010年米国のジョンズ・ホプキンズ大学による検討にて、5,530人を対象とした睡眠時無呼吸症候群の予測因子として、首囲が有用であることを報告しています。 2012年京都大学による中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群83人と軽度以下の睡眠時無呼吸症候群51人とを比較したところ、首囲が総体脂肪量より無呼吸との相関関係が強く認められ、日本人の睡眠時無呼吸重症度は総体脂肪量よりも上気道の脂肪沈着の方が重要であることを示しています。

≫ 睡眠時無呼吸症候群といびき

首囲の長さと睡眠時無呼吸症候群の危険度首囲の長さと睡眠時無呼吸症候群の危険度

首囲の長さと睡眠時無呼吸症候群の危険度

首囲の測定はワイシャツを買うときに首まわりを測るのと同じく、首の付け根よりやや上から、喉仏(のどぼとけ)のすぐ下で測ります。首囲の平均は成人男性36cm、成人女性33cmと報告されています。
2001年イスラエルのネゲヴ・ベン・グリオン大学から979人を対象とした検討では、首囲が男性37cm以上、女性34cm以上の場合、肥満1度以上である可能性が男性で98%、女性で99%であったと報告しています。閉塞性睡眠時無呼吸症を持つ人の70%が肥満であり、逆に肥満を持つ人の約40%に閉塞性睡眠時無呼吸症を認めるとアメリカから報告されています。
肥満と睡眠時無呼吸は密接に関係しています。首回りに脂肪がつくことによって舌が後方に押し出され、のどの裏側にも脂肪がつくことで後壁が前方に押し出され、呼吸の通り道が前後からの圧迫で狭くなります。扁桃腺の裏側にも脂肪が付きますので扁桃も内側に張り出してきます。形態的に周囲の圧迫を受けることでのどが狭くなり、そこを空気が流れることによっていびき、閉塞性睡眠時無呼吸が生じます。
2024年コロンビアのボゴダイグナシオ総合病院による睡眠時無呼吸症候群400人と対照の500人の首囲を比較して、男性は41.0cm以上、女性は36.5cm以上で睡眠位無呼吸の可能性が高くなることを報告しています。

首といびき首といびき

首といびき

睡眠時無呼吸症候群の患者さんはいびき症状を90%以上持っていて、逆に慢性いびき症の約30%に睡眠時無呼吸症を持つと報告されています。このようにいびきと睡眠時無呼吸症候群は強く関係しています。
2014年タイのマヒドン大学から、単純いびき症66人と睡眠時無呼吸症候群217人を比較し、いびき症状のある中で首囲が40cm以上だと中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群の可能性が高くなることを報告しています。2022年台湾の大林慈済医院から単純いびき症6人と睡眠時無呼吸症候群44人の検討にて、性別、肥満指数(BMI)、日中の眠気、いびき回数よりも、首囲の太さの方が睡眠時無呼吸症候群の予測として優れたパラメータであることを報告しています。
慢性的ないびきをしていて、首囲が40cm以上の場合には睡眠時無呼吸になっている可能性があり、注意が必要です。

≫ いびきとアプリ

閉塞性睡眠時無呼吸のスクリーニングテスト(STOP-Bangテスト)閉塞性睡眠時無呼吸のスクリーニングテスト(STOP-Bangテスト)

睡眠時無呼吸症候群を正しく診断するためにはポリソムノグラフィー検査が必要です。
これは、脳波、眼球運動、筋電図、呼吸運動、いびき音、心電図、酸素飽和度などを夜間に記録して、眠りの深さや睡眠障害の有無、睡眠中の体位などを測定します。この検査は病院にひと晩入院しなくてはならず、また普段と環境が違うために患者さんが熟睡できない時もあるのが欠点です。
呼吸運動、いびき音、酸素飽和度を計測できる小型の装置で自宅にて計測する簡易検査は、普段寝ている環境で行う長所があります。しかし、これも医者の診察を受けて検査装置を借りる手間がかかります。

2008年カナダのトロント・ウェスタン病院で閉塞性睡眠時無呼吸症候群を診断するための質問表が開発されました。以下の質問(アジア版)に「はい」、「いいえ」でお答えください。

  1. 大きないびきですか?(話し声よりも大きいか、あるいは閉めた扉越しに聞こえる程度)
  2. しばしば疲労や倦怠感、昼間の眠気を感じますか?
  3. 他の人から呼吸が睡眠中に停止しているのを指摘されましたか?
  4. 高血圧ですか、あるいは現在高血圧の治療を受けていますか?
  5. 肥満指数(BMI)が30kg/㎡以上ですか?
  6. 年齢は50歳以上ですか?
  7. 首の周囲径が40cm以上ですか?
  8. 性別は男性ですか?

「はい」を1点、「いいえ」を0点で合計3点以上の場合、中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の可能性が90%以上であると報告されています。3点以上の方は、近医にて睡眠時無呼吸の検査をお受けになることを勧めます。この質問表は現在世界的に使用されていますが、首囲に関する質問が含まれており、重要な要素であることが理解できます。

当院の治療法当院の治療法

当院では、なぜいびきが生じているのかを診断しています。適応のある患者さんに対しては、レーザーによるいびき治療を保険診療で行っていますが、外科的な治療ばかりがいびき治療ではありません。肥満があり重症な睡眠時無呼吸をともなっている場合は、まず体重の減量とCPAP治療やマウスピース装用を勧めます。 いびきについて悩んでおり、治療について診察を受けたい方は当院へ気軽にご相談ください。

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医院概要医院概要

東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科

理事長・院長
竹腰 英樹
(医学博士/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医)
所在地
〒160-0022
東京都新宿区新宿4丁目-4-1 サテライト新宿ビル2F
高島屋デパート明治通り口正面
電話
03-3354-1941
最寄駅
新宿駅新南口より徒歩2分
新宿三丁目駅E7番・E8番出口より徒歩1分
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